1999
MUSIC:RESPONSE/
CHEMICAL BROTHERS

   /FROM SURRENDER(ROWLANDS―SIMONSーetc)
 キムタクが出たジーンズのコマーシャル。うちの娘は、キムタクが出ただけで大喜びなのだが、音楽と一体となった映像が実にかっこよかった。実際に、娘とどっかに行ったときでもキムタク抜きでこの音楽を聴くだけで大喜びである。アシッドハウスとハウスとロックを結びつけたサウンドといってもイメージが沸かないと思うのだが、長身のトム ローランドとエド シモンズという二人がシンセというか、DJブースに入りビートの聞いた機械音を聞かせると言う感じなのだろうか、。あまり理屈は、いらないこの音楽を来て踊りたい人は踊ればいいし、体を揺らすのもいい。この連続音は、聞くものを陶酔させる。
 連続音と機械音といえば、クラスターであったり、アシュラテンペルであったり、クラフトワークであったりそうそうたるジャーマン・プログレの人たちが思い浮かぶ。ケミカルブラザーズは、いまはOASISやNEW ORDER、PRIMAL SCREAMなどといった流行の人たちの太いネットワークを持っているのだが、音楽を追っていくとしっかりとプログレの継承をしているのである。時代がこれらの音に追いついたというか、当然ケミカルブラザーズの優れた音作りによるものが大きいのだが、聞いていても少しも飽きない。ライブ映像とかも見ると、DJブースの中で二人がごそごそと「演奏?」しているという感じなのに、激しいビート、計算されたSEや切り裂くような音、キャッチ−なメロディをうまく取り混ぜ、熱狂的な雰囲気である。
 この人たち、デビュー作は、「SONG TO THE SIREN」という名前だそうだ。ということは、TIM BUCKLEYの名作「STARSAILOR」の曲からということか・・。ということは、ティムバックリーの影響もあるということか、実に深いぞ。
 クラスターが好きな人はぜひ聞くべき音楽です。逆にいうと、ケミカルが好きな人は、クラスターも聞くべきということですね。
(2001年7月29日)

SHE’S THE ONE/
ROBBIE WILLIAMS
/FROM I’VE BEEN EXPECTING YOU(KARL WALLINGER)
イギリスには、かつてフレディ マーキュリー、ロッド スチュワートといった「ポップ」スターが観客を熱狂させた時期があった。今、その位置に一番近い人物、90年代のイギリスのアイドルグループのTAKE THATに在籍し、そこで悪童振りを発揮していたロビー ウィリアムスである。この人の魅力は、間違えなく彼自身の声である。アイドルのグループを半ば強制的に辞めさせられた彼がここまで国民的な人気をえるにあたっては彼自身のカリスマ性もあるが、この魅力的な声がもたらせたものが大きい。また、このサウンドを支えているのは、元ワールドパーティのガイ・チェンバーズである。この人とロビーの競作による曲はどれも素敵である。このガイ チェンバーズは、この曲の作者であるカール ウォーリンガーと一緒に90年代の全般に素敵な曲を残したワールドパーティにいた男である。カールウォーリンガーといえば、80年代の屈指の名曲のウォーターボーイズのTHE WHOLE OF THE MOONを協力にサポートした男である。ポップスの伝統をしっかりとここに継承しているのである。
 SHE’S THE ONEは、ワールドパーティのEGYPTOLOGYのなかの一曲で。ピアノをバックに、ドラマティックに歌い上げる名バラードである。この曲のプロモーションヴィデオは、なぜかロビーウィリアムスがアイススケートのスターになって、女の人とのアイスダンス?デュエットを踊るというもの。彼自身は昔のロックロールスターのようにパーティーに明け暮れ、悪がき振りをいつまでも発揮している。とっても嫌そうなやつなのだが、この声はそんないろんなことを忘れさせてしまう。この今までのポップスのいいところを凝縮したサウンドと、癖があるけど多くの人をひきつける声。これからも見逃せない。
                                        (2001年7月26日)

TENDER/BLUR/FROM 13(DAMON ARBURN)
みなさんは、ブリットポップって、ご存じだろうか?90年代の中盤にイギリスではやったミュージックシーンである。何か楽しくて、ポップな音楽であったと記憶している。そのシーンの中心だったバンドには、パルプとか、オアシス、そして、ブラーがあげられる。ガールズ&ボーイズを代表にアルバム、パークライフはきらきらと光るようなポップな曲を出していた。しかし、この人たちも自分たちの立場を考え直したり、ずいぶんつらい経験をしていく中で当然のことながら方向を変えていったソング2に代表される激しくラウドな曲な、ノイジーなギターを取り入れたり実験を重ねていった。
 そこで、1999年に、いろんな人生を積み重ねたブラーが到達したのが13である。このテンダーは、ゴスペル隊の分厚いコーラスと、シンプルかつ力強いサウンドで感動を呼ぶ。
C'MON, C'MON, C'MON,GET THROUGH IT
C'MON, C'MON, C'MON,LOVE'S THE GREATEST THING
THAT YOU HAVE
I'M WAITING FOR THAT FEELING,WAITING FOR THE FEELING
WAITING FOR THAT FEELING TO COME

OH MY BABY,OH MY BABY,OH MY ,OH MY


結構大げさな歌詞なのだが、この曲にあると素晴らしく聞こえてくる。ヴォーカル、ゴスペル隊、ギターのグレアムの声の掛け合いが絶妙である。
(2000年12月10日)

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